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膝の痛みが強く、歩くこともままならない

変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)

静かな山間の村に住むE子さんは働き者。
今年六十五歳になりますが、今日も畑へ朝早くからでかけました。


いつものことですが、
畑までの数百メートルはきつい坂道を登らねばなりません。


露地もののトマトの芽かきと雑草取りをした後、
ジャガイモを収穫しました。


今年のジャガイモは生育が良く、
丸々と大っています。


背負い龍に一杯詰めこんで急な坂道を家まで下っていきました。


途中、だんだん膝が痛くなり、
二回ほど休みましたが、
何とか家までたどり着きました。


「やっぱり明日はお医者さんに行こう」とE子さんは決心し、
翌日、町の病院を受診したのです。


診断は変形性膝関節症でした。
 

膝が病むという人は腰の痛みと同様に意外と多いものです。


私は外来で患者さんに変形性膝関節症のことを説明する時には、
「自動車でも長く使っていればだんだんガクがくるのと同じです。
大事に使えば長持ちしますが、そうでないとすぐ壊れてしまいます。
自動車は買い換えができますが、人間はそういう訳にはいきません。」
と言っています。


レントゲン写真などで膝の状態を見ますと、
関節は擦り減り、
骨は変形していることが良く分かります。


また膝の内反変形、いわゆる「がに股」となってきます。


これを若い時のような新品の状態に戻すことは現代の
医学の水準をもってしても不可能なのです。


この形をなおして治療するという方法もありますが、
痛みが強く、
歩くこともままならない進行した変形性膝関節症に対しては
人工の関節と取り替える手術を行います。


しかし人工関節はあくまでも最終的手段ですから、
やむを得ない場合に限ります。


人工関節手術を行うほどではない場合や、
初期の変形性膝関節症では膝の装具や杖の使用で
膝への体重負荷を減らす工夫と痛みや炎症を抑える
ための薬物療法が主体となります。


またヒアルロン酸と言って関節液成分の一部を合成したものを
関節内に注射することもあります。


鎮痛剤は確かに痛みを和らげる効果がありますが、
「むし歯の時の痛み止め」と同じで、
病気そのものを治すことにはなりません。


膝の痛みは「もうこれ以上無理をしないで」
と警報を鳴らしていると思ってください。


むしろ痛みを薬で抑えて無理をすれば、
それこそ病気は一層悪くなります。


そして変形性膝関節症と診断された場合には、
できるだけ膝に負担をかけないように、
例えば階段では必ず手摺につかまるとか、
お勝手仕事は高めの椅子に座るとかの工夫が必要です。


また膝周囲の筋肉、
特に膝を仲ばす太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えることが大切です。
 

さまざまな段階の変形性膝関節症がありますので
一概にこうとは言えませんが、
その治療法で大切なものを順に挙げると、
@日常生活での注意と工夫、
A装具や杖の使用、
B大腿四頭筋の筋力強化、
C薬物療法でしょう。


おそらく、
たいていの人は薬物療法が一番大事と思っているでしょうが、
変形性膝関節症にはあてはまらないのです。



骨を守る骨の病気 ア・ラ・カルト
山梨医科大学整形外科 教授 赤松功也 編著
より転載 させて頂きました。

posted by からだなおし at 12:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 腰痛と膝痛の治し方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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